米国のシリア攻撃はイヴァンカ氏の進言によるものだった

米国のシリア攻撃には何のシナリオもなかった

シリアのアサド政権が猛毒の神経ガス・サリンを使用して多数の市民を殺害したことを受けて、米国のトランプ政権は、6日夜にシリアの空軍基地を、59発の巡航ミサイル・トマホークで電撃攻撃しました。

米国のメディアは、トランプ大統領が夕食会の最中に、国家安全保障会議(NSC)高官からこの攻撃の進展状況を聞くことで、「重大行動」に取り組む自らの姿を習近平国家主席に誇示するように振る舞ったと報道しました。これは、中国に対するメッセージであり、また北朝鮮に対するメッセージでもあると報じられました。

後に、この攻撃は、トランプ大統領の娘のイヴァンカ氏が進言したものだったことがわかりました。イヴァンカ氏はTwitterで「昨日の怖ろしいシリアの化学攻撃の写真に、心が痛み、激情にかられています。」と述べています。娘を溺愛するトランプ大統領は娘の悲しむ姿を見て、シリア攻撃を考えたというのが本当のところではないでしょうか。

トランプ大統領は、この攻撃に関する記者会見で、「シリアの独裁者であるアサド大統領は、罪のない市民に対し、恐ろしい化学兵器を使用して攻撃を行った。致死率の高い神経ガスを使い、無力な男性や女性、そして子どもたちの命を奪った。あまりに大勢の人に対する、緩やかで残忍な死を招いた。残酷なことに、美しい赤ちゃんたちもこのような非常に野蛮な攻撃によって殺された。神の子は誰一人としてそのような恐怖に遭ってはならない。」と述べていますが、トランプ大統領のこれまでの論調とは全く相いれないような言葉です。この言葉は、娘イヴァンカ氏の受け売りだと考えるのはうがちすぎでしょうか。

もし、娘イヴァンカ氏の受け売りだとすると、心の底から恐怖を感じずにはいられません。前後のことを全く考えずに、娘可愛さのあまり、衝動に駆られて攻撃命令を出してしまうような人間が、世界最強の軍事力を持つアメリカの大統領なのです。

そういったいきさつを知らなかった世界のメディアが、このシリア攻撃を、世界の状況を十分に考慮したうえでの攻撃であったかのように誤解してしまったのではないでしょうか。

「中国、北朝鮮を牽制した強い大統領」というイメージがメディアによって作り上げられたような気がします。

これに気をよくしたかのように、トランプ大統領は、オーストラリアに向かっていたカールビンソン空母打撃群を北朝鮮に急派し、13日には、通常兵器としては史上最強の爆弾をアフガニスタンにある過激派組織の拠点に投下しました。ISを壊滅させ、北朝鮮から核を排除できる強い大統領であることを誇示したいのでしょう。

昨日(15日)、北朝鮮は、金日成主席生誕105年に合わせて軍事パレードを行いました。このパレードで、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられるミサイルが公開されています。それが、実用段階に入っているかどうかはわかりませんが、米国のカールビンソン空母打撃群は北朝鮮の近海に到着しているものと考えられます。

このような緊迫した状況の中、北朝鮮は、16日午前6時21分(日本時間)に、弾道ミサイル1発を発射しました。幸運にも、この発射は発射後数秒で爆発し失敗に終わりました。

運よく失敗の終わったので、ことなきを得たのですが。もし成功していたらどうなっていたでしょうか。米国は、空母打撃群を展開して、ミサイルを迎撃して撃ち落とすと言っています。北朝鮮は、核戦争も辞さないと強硬な姿勢を崩しません。完全なチキンレースに陥ってしまっているのです。

感情に任せて行動するトランプ大統領が、北朝鮮のICBMミサイルの発射実験を傍観することはないでしょう。これを許せば、「アメリカは、空母打撃群を展開したりして、こけおどしをするけれども実際は何もできないのだ」と世界中に思われることになります。一方、核武装することを最優先している金正恩氏は決して、ICBM開発を断念しないでしょう。

この暴発する性格を備えた、トランプ大統領と金正恩のチキンレースは、非常に怖いものがあります。